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ドイツ語技能検定試験受験記(後編)

明日は本番です。出番は最後の方なので、入念な音出しをしていきたいです。福岡から直行されるTさんの飛行機が遅れませんように。

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(続き)

ということで、10月14日に受験申込をしたのですが、それまでに初歩的な文法事項(英語でいえば高校1年までに習うような事項)は一通りやり終えていました。英語と似た部分も多く、「外枠」は把握しやすく感じました。次にやることは、大学受験よろしく「対策問題集」「過去問」だと思ったので、これらを1冊ずつ購入し、徐々に勉強時間を増やしていきました。

※ところで「過去問」は、年度別でなく級別にばら売りしてくれないものでしょうか。「2005年版」を購入したら、1級までの全ての問題が載っていて面食らいました。見た限りでは、どうやら3級と2級との間に大きな壁があるようです(2級から面接試験もあり)。1級と2級は毎年秋に1回しか受験できませんが、仮にこれから勉強して来年の秋に2級を受けられるようなレヴェルに達しているかというと、到底不可能と思われます。

話を戻します。昔からそうなのですが、私はこういった問題集は何冊も手を出すよりは1冊を何回もやる方なので、白水社の問題集1冊に絞ってやりました。聞き取り試験用練習問題のCDがついているのもよかったです。

一通りやってみて、つまづいたのは以下の点でした。

①分離動詞と複合動詞
→似たようなものが多く、なかなか覚えられません。例えばsteigen(登る、乗る)一語だけをとっても、派生語としてabsteigen(下降する)、besteigen(登る)、einsteigen(乗り込む)、übersteigen(乗り越える)、umsteigen(乗り換える)など、見ただけでクラクラしてきます。まあ、接頭辞の意味を考えて推測できないこともないのですが…

②名詞の性と複数形
→これも実は、ちゃんと覚えていません。名詞に性があるというのは、昔やったスペイン語でちょっとは慣れていたのですが(名詞に性がない英語がむしろ例外)、複数形が名詞によって異なり、5種類(不変/-e/-er/-en/-s)もあるのは非常に困りました。また、ドイツ語の場合、複数形になると母音が変音してしまうものもあり(例:Haus→ Häuser、Zahn→Zähne)、こうなると発音も全く変わってしまい、慣れないと聞き取りの時に非常に苦労します。

③語彙
→やはり最終的にはこれに尽きるようです。3級受験の目安は「1700語」と書いてあり、練習問題巻末に覚えるべき1700語が掲載されていましたが、こんなに覚えるのかと気が遠くなりそうでした。英語だってそんなに覚えたかどうかあやしいのに…これも、当日までには全部覚えられるはずもなく、覚えたのは結局7割くらいでした。

これらのハードルに打ちのめされそうになりつつ、自分を騙し騙し勉強し、ようやく本番の日11月23日を迎えました。受験会場は、第1希望が通って日大法学部校舎(千代田区三崎町)。何と自転車で15分で行けます。眠い目をこすりながらのろのろと会場に向かいました。

午前中(10:00~11:40)は4級の試験でした。筆記60分、聞き取り25分です。周りを見渡してみると、20歳前後の人が多かったですね。ドイツ語を選択していて、ちょっと腕試しに受けてみようかという感じの人が多いように思われました。まあ、これは落ちないだろうという自信があったので、余裕を持って試験に臨めました。時間が余ったので、長文読解問題の全訳を余白に書いたりしていました。

さてここからが問題です。午後の3級の試験が始まるのは14:00です。いったん家に帰ってもよかったのですが、昼寝して3級を受験しそこなうおそれがあったので、近くで勉強することにしました。手っ取り早いのは千代田区立の図書館ですが、コンビニで地図を見たところ、近くに図書館は発見できなかったので、猿楽町の公園に行くことにしました(神保町の古書店街のすぐ近くです)。幸い人通りも少なく静かで、見知らぬ父親と子供がサッカーをする様子を微笑ましく眺めつつ、主に最後のあがきということで単語の暗記に集中しました(しかしこの時覚えた単語は1個も出なかった…まあそんなものでしょうか)。

そして午後(14:00~15:40)は本命の3級の試験でした。問題集には載っていない単語が多く、これでかなりつまづいたような気もしますが、かつての受験英語の貯金のおかげか、文法の細かい問題以外(長文読解、会話など)はほぼクリアできました。聞き取りもやや不安がありましたが、だいたいわかりました。ちなみに、こちらは年齢層はバラバラで、私くらいの年の人からかなり年配の方まで数多く見られました。

自信を持って答えられたのは全体の7割ぎりぎりくらいで、正直どうかなと思っていたのですが、自己採点してみたら8割近く正解していたので、ちょっと安心しました(合格ラインは6割~7割)。

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【おまけ3】

日本が主催する各国語の検定試験の歴史です。ドイツ語技能検定試験は意外に歴史が浅いことがわかりました(詳しくは独検onlineの「小史」で)。明治維新以来、ドイツは日本とは縁が深いので、ドイツ語検定の歴史も長いと思っていました。まあ、国際試験というのはずっと前からあったわけですが。

ロシア語検定:1957年~(グレードは4段階)
英語検定:1963年~(グレードは7段階)
スペイン語検定:1973年~(グレードは3段階)
フランス語検定:1981年~(グレードは5段階)
中国語検定:1981年~(グレードは4段階+「ビジネス中検」)
インドネシア語検定:1992年~(グレードは6段階)
ドイツ語検定:1992年~(グレードは4段階)
ハングル能力検定:1993年~(グレードは5段階)
タイ語検定:1994年~(グレードは5段階)
イタリア語検定:1995年~(グレードは5段階)

ちなみに、私が趣味で勉強しているフィンランド語の検定は、今のところ日本では実施されておらず、ALTEが行っている国際試験しかないようです。マイナー言語の宿命か。
by mako_verdad | 2005-11-25 23:30 | ひみつ活動

1979年生まれ。某国立大学オケへの入団を機にバストロンボーンを始めました。現在はアマチュアオーケストラ「ザ・シンフォニカ」やいくつかのブラスアンサンブル団体で活動しています。2017年に子供が生まれたので徐々に活動縮小予定です。


by makorim