懐かしのオケコン
2005年 11月 12日
関係ないですが、T大オケに眠るEs管バストロ、意外に安く修理の目処がついたそうです。ウォーターキィとチューニングスライドがつくとか。これだけでもかなりの進歩です。ふたたび実用化される日も近いですね。
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日本フィルハーモニー交響楽団 第575回定期演奏会
11月11日(金)19:00~ サントリーホール
指揮 ハマー・ジョルト
ピアノ独奏 岡田博美
【プログラム】
バルトーク 舞踊組曲
バルトーク ピアノ協奏曲第1番
バルトーク 管弦楽のための協奏曲
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以下、簡単に感想など。指揮者のジョルト氏はまだ37歳の若手。かっこいいですねえ。
【舞踏組曲】
ちょうど私が高校1年の頃に、著作権切れで吹奏楽コンクールのレパートリーとして大いに流行し出したのを覚えています。生で聞いたのはT波大オケだけだったので楽しみにしていました。直管群は素晴らしい安定感で、迫力たっぷりでした。私が最も好きな箇所は第3曲冒頭、弦が一斉に、煌くようにTuttiで弾く箇所なのですが、先導するファゴットもかっこよかったです。
【ピアノ協奏曲第1番】
バルトークは自身がピアノ弾きだったということもあって(?)、協奏曲はいずれもかなり技巧的なのですが、独奏者は全く破綻なくあの超高速で弾ききっていて、度肝を抜かれました。ところで、ピアノのすぐ後ろに打楽器群が陣取っていて、ポップスのライブみたいでした。実際、ピアノとたくさん絡むのであの位置でいいんでしょうけど。トロンボーンはなぜか1stにペダルトーンをぶりぶり吹かせたり、面白い用法でした。これはおそらく、3rdにFバスを想定しているからでしょう。当時のロータリーなしのFバスでは、ペダルのAは演奏不可能なのです(第7ポジションまで伸ばしてもHまでしか出ません。その1つ下の倍音はもうペダルFになっちゃいます)。
【管弦楽のための協奏曲】
2楽章のトランペット、木のミュートでした。これが素晴らしい音色で、(木管に近くて)おおっと思いました。当夜のバストロはいつものNさんでなく、テナーのIさんが担当されていました(楽器は団所有のレッチェ、チースリックモデルでした。トロンボーンを始めて数年、そのくらいの判別はやっとできるようになりました。よかった…)。第4楽章のグリッサンド、第5楽章のLow H、いずれも紐をつけてスライドを限界まで伸ばして吹いておられました。さすがプロです。音量が十分に出ないのが仕方のないところですが。あと、第5楽章のトランペット(High Desが出てくる箇所)は短い管に持ち替えて吹いていましたが、あとで聞いたところによればEs管じゃなくてD管だそうです。まあ、ほとんど同じか。D/Es管ってやつですかね?トランペットのことは詳しくないのでわかりませんが。まあ、これもやたらと速いテンポで、スリリングながら非常に楽しめる演奏でした。3楽章でトランペットが飛び出すなどの事故もありましたが。
それから、テューバのTさんは相変わらずの上手さでした。オケコンのコラールが特によかったです。
終演後は、何とSさんのはからいで団員の方々の飲み会に混ぜていただけることになり、非常に楽しい時間を過ごせました。どうもありがとうございました。日フィルはつい先日私の地元に演奏旅行に行ってきたらしく、その話題でしばし盛り上がりました。
閉店時間になる頃、3月の「青ひげ公の城」の演奏会をしきりに勧められたので、これは行こうと思います。生で聞けるチャンスなんか滅多にない曲ですし。これも「かかし王子」「中国の不思議な役人」と並ぶ、初期バルトークの先鋭的な作品です。「役人」に比べて圧倒的に演奏回数が少ないのはなぜでしょうね(やっぱり組曲版がないから?)。