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A.Lafosseの業績

今日は路面凍結が心配です。楽器はハードケース(「ただのハコ」なので、ベルに損傷がないように布を何枚も噛ませています)にがっちりとしまいました。いざトリフォニーホールへ。

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トロンボーン奏者の皆さんにはおなじみだと思いますが、フランスのトロンボーン奏者、A.Lafosse(読みは「ラフォス」で合ってるのでしょうか)が書いた有名な教則本があります。さてこのLafosseという人、教則本だけではなく、トロンボーンアンサンブルの曲もいくつか書いております(私の知る限りでは、トリオ1曲とカルテット2曲)。今度、知り合いがトロンボーンアンサンブルでLafosseのカルテットをやるということで、曲目解説のネタを提供してくれと言われたのですが、私自身もよく知らなかったので、せっかくの機会だと思ってこの人のことを色々と調べてみました。

すると、次のようなことがわかりました。英文などをざっくりと訳しただけなので、誤りがあればどなたか訂正を願います。

#A.Lafosseは1890年生まれ。パリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者を経て、その後パリ・コンセルヴァトワールの教授を務めたそうです。アンリ・デュティユーの「コラール、カデンツァとフーガ」(トロンボーンとピアノ)は、1950年、Lafosseに献呈された作品です。余談ですが、この曲の他に、第2次大戦前後に生まれたトロンボーンの独奏曲はフランク・マルタンの「バラード」、ヒンデミットの「トロンボーンソナタ ヘ調」、クレストンの「幻想曲」、デュファイの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」などがあり、なかなか興味深いです。

#ラヴェルの「ボレロ」のオーケストラ版初演、および初録音時のソリストを務めたのがLafosse。練習の際、彼は現在一般的な「グリッサンドをつけて演奏する」ことをせず、それを聞いたラヴェルが、「ジャズの雰囲気で吹いて欲しい」と要求し、そこでLafosseはソロの随所にグリッサンドを入れるという手法に出たそうです。しかしながら、当時のLafosseの演奏スタイル(グリッサンドのかけ方)は、現在一般的になっているものとはかなり異なっているようです。

#ヘンデルの忘れられていたオーボエ協奏曲(HWV287)を発掘、トロンボーン用に編集して1948年に出版。また、バッハの「無伴奏チェロ組曲」をテナートロンボーン用に編集して出版。この2つはわりと知られている事例かと思います。

ストラヴィンスキーの自作自演のCDの中に、Lafosse自身の演奏が残っているようです(管楽八重奏曲)。1932年の録音のため、状態はかなり悪いと思いますが…(昔、ヴァイルの「三文オペラ」の1930年ごろの録音を聞いたことがあるのですが、プチプチいってました)。
by mako_verdad | 2006-01-22 08:00 | 鑑賞活動

1979年生まれ。某国立大学オケへの入団を機にバストロンボーンを始めました。現在はアマチュアオーケストラ「ザ・シンフォニカ」やいくつかのブラスアンサンブル団体で活動しています。2017年に子供が生まれたので徐々に活動縮小予定です。


by makorim