本が届きました
2006年 01月 18日
やはり、近代のフランスの曲は「細管のテナー3本」のようです(現在の太管のトロンボーンが、コーン社とエモリー・レミントンによって共同製作されてからまだ半世紀も経っていないことを最近まで知らなかった、無知な私…)。プーランクの「典型的動物たち」は1942年初演の作品ですから、まず細管のテナー3本を想定していると考えて間違いないでしょう。本番前に読むことができてよかったです。よいイメージトレーニングができそうです。
バストロンボーンは、19世紀のフランス人にはかなり嫌われていた模様です。ベルリオーズに至っては「バストロンボーンの圧倒的な音はバランスを壊すのに充分」とまで書いていたそうです。デストロイヤーですみません。
ともあれ、国によって楽器の発展の仕方が大きく違うのがよくわかる、素晴らしい本でした。ドイツ管のトロンボーンがますますマイナーな存在であることも、よくわかりました。それにしては周囲にドイツ管プレイヤーばっかりいるというこの状況は、どう考えても異常だと思います(笑)。
そういう意味では、T田君が立ち上げた新団体のトロンボーンセクションでどんなサウンドが作られていくのか、かなり楽しみです(トロンボーンセクションは全員違うメーカー。確かバック・ヤマハ・ホルトン・レッチェ)。個人的には、T田君にはヤマハじゃなくてエドワーズかシャイアーズを吹いて欲しいです(また勝手なことを…)。
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ところで、噂には聞いていましたが純正ドイツ管トロンボーンの音程はすさまじいものがあります(よく言えば「味がある」ということなんでしょうか)。これまで学んできた倍音構造の常識がさっぱり通用しません。現在、教則本の余白に音程補正表などを書いています。これをもとにじっくりとスケールをやり直そうと思います。今思えば、ヤマハは相当に楽でした。ジャーマンモデルは凄くいい楽器ですよ(手放してから言うのもどうかと思いますが)。裏を返せば、今までずっとヤマハで、音程に関してはそんなに意識しなくてもよく、ただのほほんと吹いていただけなので、これからは耳の訓練を自分に厳しく課さなければなりません。
「レッチェに手を出す勇気も、その資格もありません」とか言っていたのにあっさりと(レッチェじゃなくてタインですけどね)鞍替えした自分の節操のなさに今更ながら呆れていますが、せっかくいい楽器を手に入れることができたわけですので、これからも日々精進していきたいところです。