赤い森と生演奏
2005年 10月 04日
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東京文化会館≪響の森≫vol.19―赤い森―
岩城宏之の「森の歌」
10月2日(日)15:00~@東京文化会館
ショスタコーヴィチ 祝典序曲 Op.96
ショスタコーヴィチ 音楽喜劇「モスクワ=チェリョームシキ」 OP.105 より
ショスタコーヴィチ オラトリオ「森の歌」 Op.81
指揮:岩城宏之
テノール独唱:伊達英二
バス・バリトン独唱:久保和範
合唱:晋友会合唱団(合唱指揮:清水敬一)
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
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前半2曲はショスタコーヴィチの職人的なオーケストレーションの上手さが前面に出ていて、単純に楽しく聞ける曲でした。「モスクワ=チェリョームシキ」の管弦楽組曲は初めて聞きましたが、実は、高校の吹奏楽の定期演奏会でこれの3曲目をやったことに気づきました。どうやら「黄金時代」と勘違いしていたようです。
そして「森の歌」。初めて、この曲が感動的なものだということを知りました。作りは単純で、CDで聞いていると薄っぺらい曲だとしか思っていなかったのですが、この日初めて生で聞いたことで、私の中でこの曲に対する評価が一変してしまいました。スターリン賛美など色々政治的問題を孕み、評価も分かれるこの曲ですが、特に長大な終曲の素晴らしさは、いっぺん生で聞かないとわからないものだと思いました。
そんな中で私の心を捉えて離さなかったものは、4曲目「ピオネールたちは木を植える」から登場する児童合唱でした。感極まって泣きそうでした。「小さな子どもたちが一生懸命歌ってる」というだけで泣きそうなのに、それが上手かったりしたらもう大変です。あんな年であんなにたくさんの観客(1500人以上はいました)と前に座っているオーケストラのメンバーから拍手喝采を受けるというのは、子どもにとってはいったいどんな気分なのでしょうか。経験したことがないため想像もつきません。
なお、バストロはいつもの井上さんではなく、若手の方では個人的注目度No.1の篠崎さんでした(遠目からなのではっきりと断定はできませんが)。素晴らしいプレイで、オケで演奏することに関して色々とヒントが得られました。
この演奏会を聞き終えて思ったことが1つあります。上にも書きましたが、「生演奏を聞くことによって、自分の中で評価の変わってくる曲がもっとたくさんあるのではないか」ということです。財政的・物理的問題からなかなか平日夜のコンサートには足を運べないのが現状ですが…(一応チェックはしています)。